リハビリテーション部の業務

リハビリテーション部では以下のような多岐にわたる業務を行っています。

心臓リハビリテーション

2階循環器内科の外来診療エリアに専用の心臓リハビリテーション室を備えています。心臓リハビリテーション室では、呼気ガス代謝モニタシステムや心電・血圧・呼吸モニタリング装置などの機器を導入し、循環器疾患をお持ちの患者さんに運動指導を行っています。心臓リハビリテーションで大切な事は運動だけではありません。病気に対する正しい知識と生活習慣の見直しと改善があってこそ、スムーズな社会復帰や病気の再発・悪化の予防につながります。当院では、医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・健康運動指導士がチームとなり患者さんの一人一人の生活にあわせ訓練、指導・説明を行っています。

救急集中治療(EICU)におけるリハビリテーション

救急集中治療室(EICU)は救急車にて搬送された直後の患者様や重篤な患者さんが入院されています。患者さんからは「こんな状態でリハビリテーションなんて」と驚きの声をよく聴きますが、重篤な患者さんほど病気の回復には適切な治療・運動・安静・ケア・時間が必要でリハビリテーション部では入院直後より、関係各科と回診・カンファレンスを行い、患者さんの病態に応じたリハビリテーションや生活支援を実施し、一般病棟・自宅生活にスムーズにつなげられるよう取り組んでいます。

日常生活動作(活動と参加)/意思伝達支援

病院から自宅へと生活の場が変化するのに伴い、患者さん自身の役割も大きく変化していきます。退院後の生活にスムーズに適応できるよう、当院では早期より家事動作訓練等を積極的に行っています。当院では日常生活室を完備しており、男性・女性に問わず、実際の環境を想定した練習・指導を行っています。

また、疾患の影響により話す・書くなどコミュニケーション障害を来した患者さんに地域連携室・難病相談センターと連携しながら意思伝達装置をはじめとしたコミュニケーション方法の評価・練習・指導を行っています。

言語聴覚(音響分析)

主として口蓋裂に伴う構音障害に対して、音響分析を用いて訓練を行っています。言語聴覚士が音響分析を用いて、音声の評価を定量的に評価し、評価者の聴覚印象評価を音響学的特徴から確認することができます。評価や訓練効果を視覚化、数値化することで、患者さんと共有しやすくなるという利点があります。

言語聴覚療法

失語症や構音障害などのコミュニケーションの障害ならびに高次脳機能障害に対する評価・治療を行います。また、耳鼻科医師の指示のもと嚥下チームの一員として摂食・嚥下障害の評価、訓練に取り組んでいます。

小児リハビリテーション

小児科をはじめとする全科の急性期・短期入院のお子さんに対し、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・音楽療法士が小児部門のリハビリテーションを行っております。院内の関係各科はもとより、近隣の療育センターや関連機関(保健所、福祉、学校等)と連携を取りながら、入院および外来での機能訓練・フォローアップ等を行っています。

音楽療法

音楽療法とは「音楽の持つ、生理的、心理的、社会的働きを、心身の障害の軽減回復、機能の維持改善、生活の質の向上、問題となる行動の変容を図る」ことを目標に行います。言い換えると、「音楽の持つ効果を利用・活用し、患者さんの心身状態の改善を図る」ことを目標としています。声を出す、リズムを取るといった身体的な効果は基より、病気や入院によるストレスの軽減、情緒面の発達を促通する、認知機能の改善など幅広い効果が期待されています。1960年代頃より普及しはじめた、新しい領域のリハビリテーションでありますが、当院では神経内科医師および小児科医師と連携しに関わっています。

ロボット技術を用いた先端テクノロジカルリハビリテーション

ロボットスーツHALⓇ

ロボットスーツHALⓇは装着する人の「意思」に従って動き、身体機能を改善させるロボットです。神経難病・脳卒中などの患者さんを中心に使用しています。

HONDA歩行アシスト

HONDA歩行アシストは、患者さんの腰部から大腿部に装着し、股関節のモーターから生じる力により歩行を支援する装着型装置です。股関節部の角度センサーが患者さん自身の歩き方 (歩幅・歩数など)を感知し、「振り出し力」や「蹴り上げ力」を補助することで、快適な歩行を実現します。脳卒中・パーキンソン病の患者さんを中心に使用しています。

medi VR カグラⓇ(株式会社mediVR社製)

medi VR カグラⓇ(株式会社mediVR社製)は、仮想現実(virtual reality:VR)技術を用いたリハビリテーション機器です。VRゴーグルを装着することで視覚及び聴覚情報を置き換える技術を用いてリハビリテーションを行います。座位で使用するため、転倒の危険性が少なく、楽しく運動できることが特徴で、対象者の認知機能や運動機能にあわせて難易度が調整できることから、幅広い対象に適用することが可能です。

チーム医療への参加

  • 褥瘡対策チーム(PT,OT)
  • 栄養サポートチーム(ST)
  • 呼吸ケアサポートチーム(PT)
  • 認知症、せん妄サポートチーム(OT)
  • 排尿ケアチーム(PT)