様々な診療科との連携した単一の診療体制:「結節性硬化症診療連携チーム」発足

様々な診療科との連携した単一の診療体制:「結節性硬化症診療連携チーム」発足

結節性硬化症(Tuberous Sclerosis Complex; TSC)について

結節性硬化症とは皮膚、神経系、腎、肺、目、骨など全身の様々な部位(臓器)に過誤腫と呼ばれる良性の腫瘍などが生じる先天性の病気で、新生児の約6,000人に1人の割合で発症すると推測されています。

図:TSCでみられる主な症状

結節性硬化症の様々な症状は年齢によってその発現が異なることが知られております。たとえば新生児期には心臓の横紋筋腫、乳児期には点頭てんかんなどのてんかんや知的障害、学童期からは顔面血管線維腫や脳腫瘍(上衣下巨細胞性星細胞腫)、腎臓腫瘍(血管筋脂肪腫)などが認められることが多いです。さらに成人の場合では肺のリンパ脈管平滑筋腫症(LAM)と呼ばれる病変が問題になり、特に女性に多いとされています。

図:TSCで発症年齢別の臨床症状

結節性硬化症の治療は主に個々の臓器症状に対する対処療法が中心でしたが、近年、治療法の開発が進み、疾患病態への治療が行えるようになってきました。また、2015年に難病指定に認定されたこともあり、結節性硬化症の診療環境は大きく変わろうとしています。

兵庫県立尼崎総合医療センター 結節性硬化症診療連携チーム

兵庫県立尼崎総合医療センターでは、結節性硬化症で認められる症状全てにおいて、それぞれの患者さんに応じたマネイジメントを行うために様々な診療科との連携した単一の診療体制(結節性硬化症診療連携チーム)を設立しました。結節性硬化症外来を中心とし、関連する各科(泌尿器科小児神経内科歯科口腔外科皮膚科呼吸器内科呼吸器外科脳神経外科放射線科眼科精神科)と連携しながら、総合的に診療を行うことで患者さんへの負担の少ない医療を提供できるように努めます。

結節性硬化症診療チーム 集合写真

受診を希望される方へ

外来受診をご希望する場合、当院の地域医療連携センターを通して、結節性硬化症診療の窓口となる「TSCコーデイネート外来」の受診予約をお取り下さい。詳細は兵庫県立尼崎総合医療センターホームページの「医療関係の方へ」を御参照ください。

連絡先:兵庫県立総合医療センター 地域医療連携センター
電話:06-6480-7720(直通) FAX:06-6480-7721(直通)

関連リンク

  1. 難病情報センター(結節性硬化症):
    http://www.nanbyou.or.jp/entry/4384
  2. 日本結節性硬化症学会:
    http://tscres.org/
  3. 結節性硬化症のひろば(ノバルティス):
    https://www.gan-kisho.novartis.co.jp/tsc-info
  4. TSC ASALON CHUBU:
    https://tscfamily.wixsite.com/tsc-salon-chubu
  5. 京都大学医学部 小児科:
    http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~pediatrics/