院長ご挨拶

兵庫県立尼崎総合医療センター 院長  平家俊男(へいけとしお)のポートレート

はじめに

新型コロナウイルス感染症の分類が感染症法上5類に変更になり、半年余りが経過しました。新常態での医療のあり方を模索中です。これからも“with コロナ”下での地域を支える医療機関として歩みを進めていきます。また、「兵庫県立尼崎総合医療センター(AGMC)」は開院8年が経過しました。「目指すこと」3項目は、引き続いて継続します。(1)本格的地域完結型医療の推進・充実! (2)医療のみならず、マネジメント・サービスでもトップの病院! (3)量から質へ!をもう一度反芻し、あらたな気持ち・視点で、医療に従事したいと思っています。

新型コロナウイルス感染症

令和5年5月8日、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が、2類から5類へと変更になりました。10月ころまでは、多くの感染者数を依然として認めていましたが、幸いにも、重症患者の診療が逼迫している状況を免れています。年末年始においても比較的落ち着いた状況でしたが、新型コロナウイルスが無害になったわけではなく、消えてなくなったわけでもありません。特に医療機関においては、感染拡大防止対策の継続は必須事項です。院内でのマスクの着用は継続し、感染拡大防止、通常診療を両立させるために皆さん一緒になって取り組みましょう。

本格的地域完結型医療の推進・充実

本院の役割は、尼崎市のみならず人口約175万人の阪神医療圏+約45万人の大阪市西部地域の医療・介護全体と連携・協調し、日本に誇れる質の高い高度急性期・高度専門・先端・政策医療の部分を担うことです。さらに、日本に誇れる質の高い診療内容を担保するため研修・教育・研究も重点課題です。AGMCは、ベッド数730床、医師416名、看護師1,180名を擁し、充実したER型救命救急センター、ICU・CCU等の重症系病床、低侵襲心血管治療センター、ハイブリッド手術室やロボット手術室を含む18の手術室、最新鋭のがん診断・治療設備等がフル稼働しています。AGMCに求められることは、これらの充実した資源・設備をフル活用しレジリエンス力のある病院組織を編み上げることです。それにより、地域の医療・介護全体との一層の連携・協調が可能になります。これを充実させる方策の一つとして、昨年2月27日に北館を建設し、患者サポートセンター、併せてがんセンターを再整備しました。もともと本館で機能させていたものですが、患者さん・地域の医療機関の皆様にとって一層の利便向上、働き方改革の観点から職員の利便向上に繋がるようにパワーアップさせたものです。

医療のみならず、マネジメント・サービスでもトップの病院

柔軟な組織運営には、マネジメント・サービス(の向上)が必要です。職員全員が各部門での当事者意識を持つとともに病院全体の視野も入れて、どのような取り組みがマネジメント・サービスの向上に繋がるか、常に頭の片隅におきながら知恵を出し合いましょう。マネジメント・サービス(の向上)は、職員の皆さん自身の働き方を見直す上でも必要です。「働きたい病院」「働きやすい病院」「働き甲斐がある病院」を目指し病院も変化(進化)していく(病院ガバナンス)必要がありますし、職員の皆さん自身も意識を向けて(自己ガバナンス)頂きたいと考えます。令和6年4月からは、医療法に基づく「医師の働き方改革」が始まります。

量から質へ

高度専門医療の充実(特にがん診療の充実)、PFM(patient-flow-management)の充実(外来・入院・退院・転院・在宅・介護全体を見渡す対応)、医療安全、職場環境、接遇等、様々な局面での一層の質的面での充実を進めていきます。このたび整備した患者サポートセンターでは、本館に散在していた様々な機能をより簡便に、かつワンストップで提供できるようにすることで、患者さんの利便性とともに、職員の働き方にも一石を投じることができています。また、再整備したがんセンターでも、がん診療に関する様々な機能を集約しました。これに付随し、11月1日からは、がんゲノム医療連携病院の指定を受けることができました。コロナ禍のまっただ中でも、AGMCの医療の質向上を目指して歩みを続けてきた証しです。

併せて、足元も固めて

AGMCが誕生して8年。新型コロナ感染症という試練を、私たちの足元を見直す機会と捉え歩んできました。しかし、私達はここでこの現状に甘んじていることはできません。これから、ますます組織としての充実度を高めていく(マネジメント強化、サービス向上)時期です。
ややもすれば目新しい標語に惑わされ、そのもとで取り組みを積み重ねていかなければならない強迫観念に縛られがちですが、実際に必要なことは落ち着いて、「足元を固め、当たり前のことを確実に当たり前にやる」ことではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の分類が第5類に変更になったと言っても、まだまだ注意が必要です。このような困難な状況を受け入れ、社会が必要とする医療を継続して提供できるよう成長し続けていきます。

あらためて、地域、社会の皆様には、温かいご支援とともに叱咤激励を宜しくお願い申し上げます。

令和6年1月1日