統合再編の基本的な考え方

尼崎病院は、阪神南圏域の中核病院として、高度専門医療を中心とした政策医療を提供していますが、近年救急患者や手術件数が大幅に増加している中で、現在の施設のもとでは、十分な対応が困難な状況になっています。

一方、塚口病院は、阪神地域における周産期医療と小児(救急)医療の中核的な役割を担うなど、成育医療を中心とした政策医療を提供していますが、医師の診療科偏在の影響等により、麻酔科や内科などの医師確保が困難になっていることなどから、小児の救命救急医療や成人への救急医療、ハイリスク妊娠等への対応が十分とは言えない状況になっています。また、建物の老朽化・狭隘化により、NICU(新生児集中治療室)の増床等の機能充実を図ることが困難となっています。

このような状況を踏まえ、兵庫県は、平成22年2月に「尼崎病院と塚口病院の統合再編基本構想(以下「基本構想」という。)」を策定し、その中で、尼崎病院と塚口病院は、お互いの診療機能の特長をさらに生かすことができることや、医師をはじめとした医療人材の一層の有効活用や新たな医師人材の確保を図ることができることなどにより、阪神南圏域にとどまらず、阪神地域全体の懸案となっている医療課題の解決が可能になることから、両病院の統合を行うこととし、機能を再編したうえで、新たな場所に新病院を建設することとしました。

この基本構想をもとに、新病院が今後担うべき役割を適切に果たすために必要な整備内容を具体化するため、平成22年12月に各部門の基本計画や施設整備計画等を定めた「尼崎病院と塚口病院の統合再編基本計画」を策定し、本計画に基づき、より質の高い医療を提供できる安全安心な病院の実現を目指し、着実な整備を進めています。