対象とする主な疾患

糖尿病

血糖管理だけに終わらず、高血圧・脂質異常の厳格な管理を行い、糖尿病3大合併症である神経障害・網膜症・腎症のほか、虚血性心疾患や脳血管疾患の予防や早期発見・治療を眼科・腎臓内科・循環器内科・神経内科など関連各科と綿密な協力体制をとっています。血糖コントロールにはインクレチン関連薬やSGLT2阻害薬等の最新の治療薬を取り入れ、患者さんの病態や社会背景に適した治療を行っています。また、インスリンポンプ治療や持続血糖モニタリング装置を用いることによって、1型糖尿病においてもきめ細やかな血糖コントロールを目指しています。

糖尿病教育入院

初めて糖尿病と診断された方や、糖尿病のコントロールが不良な方を対象とします。
2週間の入院を基本とした教育カリキュラムをとっておりますが、ご希望により入院期間の短縮も可能です。
医師・看護師・薬剤師・栄養師・検査技師による糖尿病教育(糖尿病教室、糖尿病ミニレクチャー、ビデオ学習)、栄養指導、内服指導を受けて頂くことにより糖尿病の病態を理解して頂き、併行して網膜症、腎症、神経障害などの糖尿病3大合併症や大血管合併症の評価を行います。現在の体の状態を把握し、個人に適した全身管理・最適な薬物治療(内服治療、インスリン治療等)の選択を行います。
糖尿病教室、栄養指導は外来患者さんも参加可能です。

周術期血糖コントロール

血糖コントロールが不良な状態で手術を行うと、術後偶発症のリスクが高くなると言われています。

基本的に全例インスリンを用いて血糖コントロールを行い、術前数日間でコントロール可能な症例は手術科に入院後当科が介入し、1週間以上要する症例は池田病院でインスリン治療後、手術前日に手術科に転院して頂いています。術後は当科で血糖コントロールし、退院後は元の糖尿病治療を行っていた病院に戻って頂きます。

糖尿病緊急症やシックデイによる入院

糖尿病ケトアシドーシス、ソフトドリンクケトーシスなどや、低血糖昏睡、シックデイなどの糖尿病緊急症の入院においても24時間随時対応させて頂いております。

内分泌

体の中で作られる分泌物で生体維持に必要な調整をしている蛋白質をホルモンといいます。ホルモンを分泌する臓器としては視床下部、下垂体、甲状腺、副甲状腺、膵臓、副腎、精巣、卵巣などがあり、各臓器が特定のホルモンを分泌して特定の部位に作用をもたらし、生体機能の調整を行っています。これらの分泌の調整がなんらかの原因で乱れると体に様々な症状が現れ病気となります。
当科では各内分泌疾患をオールラウンドに診療しております。

視床下部・下垂体・副腎・膵臓・性腺

主に採血でホルモン分泌の異常(亢進、低下、日内リズムの消失)を評価します。必要によってホルモン分泌を刺激または抑制させる薬を投与し、投与後の反応をみる検査(負荷試験)を行い、CT、MRI、シンチグラフィー等の画像検査と合わせて診断・治療を行います。 最近では高血圧の原因の1割弱を占めると言われている原発性アルドステロン症をスクリーニングされることが多くなり、当科では各種負荷試験だけでなく副腎静脈血サンプリングも行って病態把握に努めています。また画像検査で偶然発見されたいわゆる副腎の偶発腫瘍も多くご紹介頂き、当院泌尿器科と連携し、その病態の解明とともに治療方針を慎重に決定しています。

甲状腺・副甲状腺

バセドウ病、橋本病、原発性副甲状腺機能亢進症などの代表的な疾患の診療はもちろん、甲状腺腫瘍に対しても針吸引細胞診や甲状腺シンチグラフィーを行い甲状腺癌の早期発見に取り組んでいます。手術必要例では当院耳鼻科と連携し周術期管理、術後の加療を一連の流れで行っております。

また当院では阪神間でも数少ない甲状腺疾患に対するアイソトープ治療施設を備えており、バセドウ病や甲状腺癌に関してアイソトープ治療を行うことが可能です。